更新:2020年10月20日
配管内部の赤錆発生防止装置であるNMRパイプテクター®は国内にとどまらず世界中の建物で採用され、赤錆問題を解決してきました。
特にイギリスでの導入実績は豊富で、バッキンガム宮殿、ウィンザー城、大英博物館をはじめ、ホテルや病院など200棟以上(2020年現在)の建物で導入されています。
今回は、そんなイギリスのミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアでのNMRパイプテクター®導入事例をご紹介いたします。
ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアに導入された
NMRパイプテクター
イメージ:”https://lxrhotels3.hilton.com/lxr/biltmore-mayfair/”
ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアはロンドンのメイフェアエリアにある5つ星の高級ホテルです。
18世紀にケンダル公爵夫人が住居として用いていた建物を転用しており、歴史的にも重要な建築物です。
イギリス・オランダ連合軍がナポレオン率いるフランス軍を破った「ワーテルローの戦い」では、ウェリントン公爵がまさにその場所で勝利を宣言しました。
「ワーテルローの戦い」は1815年に勃発し、ナポレオン戦争最後の戦闘となった戦いです。
そんな歴史の証人ともいえる、ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアの建物ですが、世界的に有名なホテルチェーンであるヒルトンの手によって数百万ポンド(数億円)にも及ぶ大改装を経て、2019年にザ・ビルトモア・メイフェア(LXRホテルズ&リゾーツ)として生まれ変わります。
LXRホテルズ&リゾーツはヒルトンのホテルグループの中でも特別な地位を占めるブランドで、「宿泊客にその土地ならではの洗練されたラグジュアリーな体験を提供すること」をミッションとしており、ヨーロッパではこのザ・ビルトモア・メイフェア(旧:ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェア)が初の出店となります。
歴史ある赤レンガの美しい外観もさることながら、英国を代表する観光地であるバッキンガム宮殿やナショナル・ギャラリー・ロンドンなどともアクセスが良く、そういった立地の良さが選ばれた理由でしょう。
このように、ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェア(現:ザ・ビルトモア・メイフェア)はイギリスを代表する重要建築物です。
しかしながらその歴史の長さと相まって、空調温水配管では赤錆が発生しており、赤錆による腐食の進行度合いはとても深刻な状況でした。
ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアの空調温水配管内では赤錆による腐食が進行し、一刻も早く赤錆対策をする必要がありました。
そこで選ばれたのが、低コストで導入でき、環境負荷も小さいNMRパイプテクター®でした。
NMRパイプテクター®はそれ以前にも、イギリスの重要施設に多く導入されており、数々の配管の赤錆問題を解決してきました。
例を挙げますと2006年には、ウィッティントン病院やロイヤルガーデンホテル・ロンドンへ導入され、その翌年の2007年にはバッキンガム宮殿や、ウィンザー城に導入されています。
そういった確かな実績を経て、2008年にミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアにてNMRパイプテクター®が設置される運びとなりました。
導入前、空調温水配管内循環水の鉄分値は赤錆の溶出によって、15.70mg/l という非常に高い値を示していました。 しかしNMR パイプテクター®の設置から6週間後の再検査では、鉄分値は0.16mg/lまで減少しており、設置前後で比較すると水中に溶出した鉄分の量が100分の1ほどになった事が分かります。
このように空調温水配管内の循環水の水質は、全く問題のない水準まで回復しました。
これは既存の赤錆が黒錆に還元され、それによって配管内部の表面に黒錆の皮膜ができ、新規の赤錆の発生も抑制されたためです。
黒錆は赤錆の10分の1ほどの体積の非常に緻密で強固な結晶であるため、赤錆閉塞といわれる配管のつまりを解消するばかりか、配管を強化します。
配管を強化するその効果は驚くばかりで、配管寿命を40年以上伸ばすことが可能です。
ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアのように何世紀も使用可能なレンガ造りの堅牢な建物となると話は別ですが、日本国内の一般的な建築物であれば、この延命は建物寿命に匹敵し、配管の更生としては申し分ありません。
ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェア内の
NMRパイプテクター設置の様子
環境にやさしいNMRパイプテクター
イギリスといえばまさに産業革命の地です。
産業革命によって経済は大きく成長しましたが、一方で工業化に伴う石炭の大量消費は深刻な大気汚染を引き起こしました。
そして20世紀後半には環境問題へ強い関心が向けられるようになり、社会活動も盛んになります。
そういった背景もあり、イギリスでは環境意識が特に強く、配管メンテナンスにおいても当然環境への配慮が求められます。
ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアでNMRパイプテクター®が選ばれたのは、NMRパイプテクター®がとてもエコな赤錆防錆装置であるという点も大きかったでしょう。
前述の通り、NMRパイプテクター®は使用年数が長く古い配管でも更生し、およそ建物寿命まで延命します。
配管を取り替えた場合、古い配管を廃棄処理するために多くのCO2を排出する事になるので、古い配管を使い続ける事の出来るNMRパイプテクター®は非常に環境負荷が小さいと言えます。
また、赤錆が発生した配管を交換しないで使い続けるための更生方法として、日本ではパイプライニングが一般的ですが、この工法は配管内の研磨による赤錆除去作業によって、配管がどうしても傷ついてしまいます。
そのため7~10年以内には結局配管を交換せざるを得ず、古い配管は廃棄物となります。
また、パイプライニングは内部に赤錆に強い特殊な樹脂を塗装する工法ですが、樹脂の性質上、完全に硬化させる事は難しく、健康への悪影響が判明しているビスフェノール類を含むその塗料が水に溶け出すことが懸念され、環境への負荷が全くないとは言い切れないのが実情です。
一方でNMRパイプテクター®は薬剤の使用を必要とせず、また装置自体に消耗する部品もありませんので非常にエコです。
環境への配慮について高い水準が求められるイギリスでNMRパイプテクター®が広く受け入れられたのは、まさにそういった特徴にもよるのでしょう。
NMRパイプテクター®が世界的にも高く評価されている、その理由についてお分かり頂けましたでしょうか。
高い赤錆防錆性能もさることながら、徹底的に環境への負担を減らした上でその優れた性能を実現している事もまたその高い評価の理由です。
今回は、ミレニアムホテル・ロンドン・メイフェアという歴史の長い特殊な建築物での導入事例をご紹介致しましたが、NMRパイプテクター®はマンションなど一般的な建築物での導入実績も、もちろん豊富です。
配管内の赤錆腐食について少しでも気になることがあれば、ぜひ日本システム企画株式会社までお気軽にお問い合わせ下さい。