更新日:2025年4月10日
NMRパイプテクターの化学的なしくみについて、現在ネット上で誤った主張が拡散されております。これらの誤った主張に対し、正しい情報を本ページにてご説明いたします。 NMRパイプテクターの防錆効果は実際に導入先で確認されています。 また、主張を行っている「闇のapj」氏や小波氏は、実際に製品を用いて効果の検証を行っておりません。ご注意ください。
→ 赤錆は、水に溶けている時は「鉄イオン」の状態で存在し、それ以上溶解しない飽和点を超えると水に析出し、粒子状になります。
「全鉄値」は溶解した鉄イオンと析出した分の合計で求めますが、配管中の鉄イオン値は多くの場合20 mg/L以下(後述)であるため、飽和点に達しません。析出量もゼロとなり、全鉄値と鉄イオン値はイコールになるため、インチキという主張は誤りです。
→ 鉄イオンの濃度は採水ビニール袋の底部も上部も均一です。
水温が20℃の場合、水酸化鉄 Fe(OH)2の溶解度は5.255 x 10-5 g/100mL = 52.55 mg/Lです。
しかし、配管内の赤錆による鉄イオン値は、空調配管ならばほとんど20 mg/L以下であるため、赤錆は析出せず、鉄イオン値と全鉄値はほぼ同じ値を示します。
千葉県浦安市の導入事例ですと、浦安市市民プラザ空調冷温水配管内の赤錆は、NMRパイプテクター設置前は14 mg/Lであったのに対し、設置1か月後は1.8 mg/Lに低下し、設置24ヶ月後には0.6 mg/Lまで低下し、配管内赤錆の黒錆化を実証しました。そのあいだに4度、水中の全鉄値と鉄イオン値の測定を別々の検査機関で実施しましたが、いずれもほぼ同じ値を示しました。
このように、採水ビニール袋の上側と底部で鉄イオンの濃度が異なる、または全鉄値と鉄イオン値が異なる、といった主張は科学的に誤りです。
→NMRパイプテクターが新規の赤錆腐食を防止し、配管内の既存の赤錆を黒錆に還元する技術の核となるものは、科学専門誌『SCIENCE』の2005年1月号で元カリフォルニア大学のJ.R.R.バーレット博士(現ダラム大学)研究チームが発表した論文にある、水の自由電子(水和電子)です。
水(H2O)18グラムの中には水素電子1Hが6.02 × 10²³ 個あり、ほんの一部が水の自由電子として存在しています。当然、水道水の中にも存在するため、何も危険ではありません。街中の電線には6,600ボルトの電圧が配電されており、触れると感電しますが、1.5ボルトの乾電池に触れて感電することはありませんし、危険と思う人もいません。水の自由電子(水和電子)も同じレベルです。
→「開放系ではエントロピーが減少することがある」というのが物理学の常識であることが判明すると、この主張は取り下げられました。
→ 熱エネルギーの第二法則は「熱は高い所から低い所へ移動する」というもので、NMRパイプテクターの技術とは関係がないことが判明すると、この主張は取り下げられました。
→ 物理学の常識として「シュテファン=ボルツマンの法則」というものがあり、すべての物質は(273.15℃+室温)の4乗に比例して電磁波が出る・特に黒体と呼ばれる物質からは強い電磁波が出ることが分かると、この主張は取り下げられました。
→ 日本核磁気共鳴学会の年次大会(九州大学で開催)にて大阪大学の教授より、核磁気共鳴現象は地球磁場(0.5ガウス)でも生じるという論文が出ていることが判明し、この主張は取り下げられました。
地球磁場(0.5ガウス)で生じるNMR現象の電磁波は、300Hz以下の極超長波となります。
→ 非破壊検査に使用する高周波数の電磁波の他、300Hz以下の電磁波である極超長波は鉄を含む金属を通過するため、昔から地下深くの鉱山との通信に使用されています。