出典:空調タイムス(2025年10月1日 第3076号 P.4)
2025年10月1日「空調タイムス」第3076号 にて、東京都の「帝国劇場」の解体時に、NMRパイプテクター(以下パイプテクター)の設置配管での抜管調査で、パイプテクターが設置後約25年で、約60年使用した配管の赤錆劣化を防止していたことを確認した事例が紹介されました。
以下、本紙掲載内容の要約です。
日本初の西洋式演劇劇場として知られる帝国劇場が2024年3月に休館し、2030年竣工を目標とした新建屋の建設が進行中。
旧建屋の解体にあわせ、日本システム企画株式会社のパイプテクターが設置されていた配管のサンプル採取が行われた。
同装置は2000~2002年にかけて3度に分けて導入。導入以降、赤錆の発生抑制や既存の赤錆の黒錆化など、
防食効果が水質検査で確認されてきたが、配管内部の状態を実際に確認するのは今回が初となった。
配管の抜管調査した帝国劇場
サンプル採取をした配管
採取した配管は、使用から約60年が経過しているにもかかわらず、
内面は驚くほど良好な状態を維持しており、立ち会った関係者からも「約60年使用した配管がこんなに綺麗だったことはない」との驚きの声が上がった。
上記の配管に設置していたパイプテクターは、水分子中の水素を励起させて水和電子を生成し、その還元作用により赤錆を不動態の黒錆へ変換する技術を用いており、
メンテナンス不要でランニングコストも発生しないため、長期的に建物の維持管理コストを削減できる点が特長となっている。
人手不足や資材高騰が続く建設・設備業界では、配管更新工事を不要とするパイプテクターの価値が再評価されている。 少人数で対応でき、工期や総工費を抑えられることから、改修提案の選択肢として採用事例が拡大。 配管更新費が従来の10分の1以下へ軽減されることで、空調や冷熱機器の更新提案もしやすくなるなど、関連分野にも効果をもたらしている。