米国の国際博物館施設管理協会(IAMFA, International Association of Museum Facility Administrators.)
が発行する機関誌「PAPYRUS (パピルス) 」2025年3月号にて、
NMRパイプテクター®(以下パイプテクター)が、英国大英博物館においてケミカルフリーで空調配管の赤錆防止を実施した特集記事が掲載されました。
以下、本紙掲載内容の要約です。
近年、博物館や美術館をはじめとする公共施設においても、化学薬品に依存しない持続可能な設備管理が求められています。
大英博物館では、長年にわたり化学物質の使用制限を行っており、空調配管に発生した内部腐食への対応として、
当社製品のパイプテクターが採用されました。
装置は配管の外側に設置され、低周波電磁波を配管内の水に作用させることで、水素原子核に核磁気共鳴(NMR)を誘導します。
これにより水分子の構造が変化し、水の運動エネルギーによって水和電子を発生させます。
この水和電子が赤錆の進行を抑制し、既存の赤錆を水に不溶性の黒錆(マグネタイト)へと変化させることで、腐食を効果的に防ぎます。
あわせて、配管の熱効率が向上し、エネルギー使用量の削減にもつながることが確認されています。
導入後、大英博物館では空調温水から採取した水サンプルの成分分析を第三者機関に依頼し、
装置設置前に比べて鉄イオン濃度が20mg/Lから0.2mg/Lにまで減少したことが報告されました。
また、水の色も暗赤色から透明へと大きく改善され、目に見える形で効果が表れたことが示されています。
記事内では、こうした成果を通じて、パイプテクターが持続可能な設備運用の先進事例として紹介されており、
既に英国国内ではバッキンガム宮殿やウィンザー城など多くの施設で採用されている点も言及されています。
さらに国内の導入事例として、築50年以上が経過した東京都内のオフィスビルにおいても、設置から約9年後の2024年に行われた配管内部の抜管調査において、
赤錆の発生が見られず、配管の肉厚も新設時と同程度を保っていたという実績が紹介されています。
本記事では、大英博物館における導入成功が、今後世界中の博物館・美術館において、より安全で持続可能な施設運営を実現するためのひとつの指針となり得る、
と結論づけられています。